FUJIのロボットが
できるまで
FUJIの電子部品実装ロボットは、さまざま部門が連携し協力し合ってつくられています。それぞれが常に新しい技術やアイデアを出し、それらをうまく繋いでいくことで、より良い製品が生み出されているのです。そんなFUJIのロボットができるまでの流れを、各部門のベテラン社員が簡単にご紹介します。
答えてくれるFUJI社員
開発センター 技術部 第3課富永 亮二郎
job roleまだ世の中にない、
新しい技術を
- 開発センターではどんな仕事をしているのですか?
- 大きく2つあって、既存事業の強化と新規事業の開発です。前者は既存事業をさらに強くするための要素技術の開発で、後者はまだ世の中にない新しい技術製品や事業の開発になります。
- たとえば新規事業開発にはどんなものがあるのでしょう?
- 現在私が取り組んでいるのはエレクトロニクス3Dプリンターの開発です。FUJIの主力製品といえば電子部品実装ロボットですが、電子基板そのものを3Dプリンターでつくってしまおう、というものなんですよ。
- それはすごいですね!
- 複雑な形状のデバイスにも対応できますし、廃材がほとんど出ず、環境負荷が少ないのも特徴のひとつです。
work flowいつまでに、誰がやる?
- どんな流れで業務は進んでいくのですか?
- 開発は、仕様決めに始まって、機械設計、電気設計、ソフト設計、検証・評価と、バケツリレー方式が基本ですが、実際には行ったり来たりのトライアンドエラーが何度も繰り返されています。また、事業性の確認も重要で、外部発信や市場調査も業務のひとつです。
- 普段の業務で意識していることはありますか?
- 研究開発には明確な納期がありません。ただ、時間をかけすぎると、他社に先を越され商機を逸してしまうので、PDCAサイクルをいかに早く回すか、ということは常に意識していますね。
- メンバーの方とはどんなやりとりをしていますか?
- 「いつまでに、誰がやる?」と、スピード感のあるポジティブなコミュニケーションが多いですよ。
rewarding0から1を生み出し、
1を100にする
- 研究開発の仕事の魅力は何ですか?
- 既存か新規かの違いはあるものの、新たな価値提供のために、自ら企画を立て、予算を確保し、それを実行できる点は、やはりおもしろいと感じる部分です。
- 0から1を生み出すのはたいへんですよね…。
- “ゼロイチ”が研究開発の醍醐味ですからね。ただ、1がちゃんと100になる可能性を示す必要もあって、実はそれが難しいのですが、責任とやりがいを感じる仕事です。
答えてくれるFUJI社員
ロボットソリューション事業本部
機械技術部 第3設計課石川 賢三
job role製品開発全体を設計する
- 電子部品実装ロボットにおける設計フェーズの概要を教えてもらえますか?
- お客様に喜んでいただける製品を開発すべく、まずはマーケティング部門と連携し、企画を立案するところから始まります。それを具体的な装置仕様に落し込み、さらに詳細な動作仕様・機能仕様を作成します。そうして実際の機械、ハードウェア、ソフトウェアなどの設計を行います。
- 製品開発の上流工程に位置しているわけですね?
- はい。ただ、開発スケジュールの策定や関連部門の調整、さらには量産立ち上げのフォローもまた設計部門の役割です。
- そんなに業務範囲が広いんですか!
- そうですね。私たちは機械そのものの設計だけではなく、製品開発全体を設計する役割を担っています。
work flow直接的コミュニケーションを大事に
- 具体的な業務の流れを教えてください。
- 装置の開発は、機械設計・制御設計・ソフト設計がチームを組んで進めます。開発規模によって人数は変わりますが、各分野でリーダーを立てて、さらにその中の一人が主管として開発を取りまとめます。
- 各分野の連携で工夫していることはありますか?
- つくるものが変わればやり方も変わってくるので、正直、毎回手探り状態ですね。直接的コミュニケーションを大事にし、認識の相違が生まれないよう心がけてはいます。
- 他部門とのやりとりについてはいかがですか?
- 研究開発部門と連携して装置の性能の向上や新しい技術の実装に取り組んだり、量産にあたっての改善要望が生産部門から来て、それに対応したりすることはよくあります。
rewarding設計次第で評価が大きく変わる
- 製品開発において設計は中心的な立ち位置になるんですね?
- 設計次第で製品の仕上がりや機能、お客様の評価が大きく変わります。責任が求められるポジションですが、製品化にこぎつけたときは大きな達成感を味わうことができます。
- どんな人が設計に向いているんでしょう?
- 新しいもの好きで、細かい部分に興味を持てる人ですかね。語弊を恐れずに言えば、うちの部署は“変わりもの”が多いですよ(笑)。
答えてくれるFUJI社員
ロボットソリューション事業本部
第二生産部 第一生産課足立 政仁
job role遅滞なく、品質不良なく
- 生産部門の役割を教えてください。
- 企画・生産管理部門で計画された月産台数を、遅滞なく、かつ品質不良なく遂行することが我々のミッションです。たとえば電子部品実装ロボットの主力機・NXTシリーズだと、月に1,000台以上生産しています。
- そんなにたくさんつくっているんですね!
- はい。常に効率化を意識し、組み立て方法を再検討しながら、標準化することで量産性を向上させないといけません。
- 標準化とはどんな取り組みですか?
- 作業を分析して最適な作業時間を割り出し、タクトタイムを細かく区切りながら、若手とベテランとの間に作業時間や作業時間の差が生まれないようにしています。
work flow品質を担保しつつ生産効率を上げる
- 生産工程でイレギュラーが発生することはありますか?
- もちろんあります。部品の不良だったり、組み立て作業自体のミスだったりしますが、後者の場合、作業方法の見直しはもちろんのこと、設計の見直しでヒューマンエラーを減らせるケースもあるため、設計部門に協力要請して再発防止策を打ち出します。
- 新機種導入の際は特にたいへんそうですね。
- はい。新機種の場合、作業手順をイチから考える必要があります。生産効率を重視しすぎると品質を担保できなくなるので注意が必要ですね。
- そんなとき心がけていることはありますか?
- なるべく作業員の声を聞くようにしています。相手は機械じゃなく人間なので、寄り添うことが大事なのかなと。
rewarding一致団結し製品に命を吹き込む
- 生産フェーズにおけるやりがいはどんなものですか?
- 一つひとつの部品を取り付け、そこに機能を持たせる作業は、製品に命を吹き込むようなものです。たいへんなことも多いですが、チームメンバー全員が同じ方向を向いて一致団結する瞬間に大きなやりがいを感じますね。
- とても人間味あふれる部門なんですね。
- ええ。誰か一人でも「まあいいや」という気持ちだと、決していい製品は生まれませんから。
答えてくれるFUJI社員
ロボットソリューション事業本部
第三営業部 米州課古川 裕
job roleFUJI製品はコンセプトもよく品質と信頼性が高い
- 日々の営業活動で感じることはありますか?
- 当社の売上の約9割は海外市場です。海外ユーザーの間では知名度が高く、「FUJI製品は品質と信頼性が高く、またコンセプトもGood」という認識が浸透しています。
- 日本だけでなく海外でも知られた企業なんですね!
- はい。やはり技術力の高さがFUJIの一番の強みです。それがリピートオーダーにもつながっていると感じます。
- そのために営業部門で実践していることはありますか?
- アフターセールスなくしてリピートはありません。出先の代理店は上手く機械が使えているか定期訪問しますが、本社営業はそれをサポートし追加要望などあれば設計・開発チームと協力して実現させます。
work flowお客様の仕様に合わせた商品提案
- FUJIではどのような営業活動を行っているんですか?
- お客様との折衝は普段は海外代理店が行います。そのフォローアップを行う、またグローバルユーザーは直接やり取りする機会も多いです。大きなプロジェクトがある場合は出張に出て当社の製品説明を行うのと同時に、お客様がつくられている製品に関しても詳しく話を伺いニーズにあった提案を行います。
- なるほど。お客様の仕様に合わせた製品を提案するわけですね。
- その通りです。ショールームで実際の製品を見ていただくこともあります。そして、価格交渉を含め商談がまとまれば、契約手続きとなります。
- 納品まではどれくらいかかるものですか?
- 標準仕様であれば数か月程度ですが、特殊な要求が含まれていれば半年以上かかるときもありますね。
rewardingプロジェクトの流れを把握し円滑に回す
- 営業の仕事でおもしろいと感じるのはどんな点ですか?
- 社内のあらゆる部門と関わるところです。全体の流れを把握し円滑に回せるかは営業次第といっても過言ではなくお客様からの要望をうまく他部門に伝え、プロジェクトを成功に導く必要があります。
- 海外営業に求められる資質はなんですか?
- 調整能力は言うまでもありませんが、海外のお客様を相手にするわけですから言語能力も必要でしょうね。海外駐在だけではなく、日本にいながらでも海外のお客様とのコミュニケーションをとる機会も多いので、そのへんもおもしろいですよ。